天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜



派手な人たちばかりで、返す笑顔も思わず引きつってしまう。


天馬くん、この辺じゃ名が知られてるんだな……。


手を振る女の子たちはみんな短いスカートやショーパンを履いてて羨ましかった。


私も太腿の傷がなければああいう可愛い服着れたのに。


そんな風に思うことはしょっちゅうだ。


天馬くんが傷のこと知ったらどんな反応するかな……でも見ることは絶対ないだろうけど。




天馬くんは雑居ビルの地下に私を案内した。


出入り口が薄暗くてなんか怪しい……。


変な奴らじゃないって言ってたけど、なんか不安になる。


〝Billiards〟と書かれた看板をみてここがビリヤードの店なんだと気付いた。


「俺の近くにいろよ」


「え?うん……」



中に入ると、数人の男女がビリヤード台の周りに立っていて盛り上がっていた。


「お!天馬きた!」


その中の一人が私達に気付いて言うと、みんな一斉にこっちを見た。


わっ。みんなオシャレでリア充な感じの人ばっか。