「わかりました。じゃあ今日の食事会は出なくていいですか?……合う服がないし」
「かまわん。体調が悪いと言っておく。それからな、その髪も黒くしろ、いくら地毛だと言っても学生なのに明るすぎる」
泣きそうな自分にも腹が立った。
こんなやつのために涙なんか流したくない。
私は返事もせず、涙を堪えてリビングを出た。
すると、咲が慌ててついてきた。
「待って!」
「咲……ごめん。今日行けなくて」
「急にびっくりした……お父さんがあんなこというなんて……」
咲の前ではあまり義父と話したことがない。
だから気付かなかったんだろう。
「雰囲気悪くしてごめんね」
「ううん、お父さんあんな言い方するなんてひどい。私から話してみるから!」
「そんなことしなくていいよ、咲は今仕事忙しいんでしょ?自分の事だけでも大変なのに」



