屋上の鍵が壊れていることを知っているのは、私だけだと思っていたのに。 そこにいたのは見覚えのある後姿。 あれは…… 同じクラスの神城天馬(かみしろてんま)くんだ。 スラッとした体型で背が高い彼は、立っているだけで絵になり、制服の着こなし方からしてセンスが良いのがわかる。 頭も良いって、クラスの男子が騒いでたな。 それなのに…… そんな彼から灰色の煙が出ている。 その煙は晴天の青空に溶け込んでいった。 う、嘘でしょ……煙草吸ってたの?