「可愛くすねてもダメ!しわくちゃになった制服直すのだって大変なんだよ!?」


「ごめんごめん、でもちひろが可愛いのが悪いんじゃん?」


半分寝ぼけ眼でにやっと微笑み、洗面所に行ってしまった。

はぁ……。


私だって天馬くんと朝からイチャイチャするのは嫌いじゃない。


むしろ好き……かもしれない。


でも学校の規則はちゃんと守りたいし、それが同棲する条件でもあった。


天馬くんといるからダメ人間になっただなんて思われたくないもん。


「あ、今日俺の好きなエッグベネティクトじゃん!平日なのに作ってくれたんだ」


「うん、ちょっと早起きしたから余裕あって」


「へえ?じゃあ朝余裕ないくらいもっと疲れさせないとね?」


片手でコーヒーを持ち、新聞を見ながら平気な顔でそんなことを言う。


「もう!十分だよっ」


「十分?俺はたりねぇけどな?」


目線だけこっちに向けて不敵な笑みを浮かべる。


そんな顔ですらドキドキが止まらない。


私は天馬くんに完全に溺れて、おかしくなってしまったのかな。