「おいあんた、咲を守ろうとしたのはわかるけどちひろ置いてったこと、どーしてもゆるせねぇ。なんとかできただろうがよ」
天馬くんが怒り口調で佐々木さんを睨んでいる。
「す、すいません!あの時は私も必死でっ……」
「ごめん天馬、お姉ちゃん……」
咲も頭を下げて謝っている。
「天馬くん!しょうがないんだよ!少し遅れてたら咲まで巻沿いになってたと思う!そんなことになったらもっと大変なことになっていたし、佐々木さんのとった行動は正しいよ!」
「でもっ」と、天馬くんが何か言い返して来ようと私の方を振り返ったとき。
義父がリビングから出てきた。
「まったく、お前らが来ると一気に騒がしくなるな」
「すみません、あなた……」
横で私達のやりとりを静かに聞いていたお母さんが、か細い声で頭を下げている。
こんな男にそんなことしなくていいのに。
みんなの前で私の傷のことを言いふらしたんだ。
絶対に忘れない。
あの時の事を思いだすと胸が苦しくなる。



