その後の記憶があいまいで、気付いたら単車に乗せられていた。


運転している男のおなかに私の腕が回されていて、落ちないように私の手首は紐で縛られていた。


手……イタ……。


手だけじゃない、頬も頭もいろんなところが痛いよ……。


どこへ向かっているのかわからない。


もしかしてこのまま死んじゃうかもしれない。


今まで感じたことがない恐怖に私は身震いしていた。


昨日の天馬くんとの幸せな時間が嘘みたいだな……。


こんなことなら


天馬くんの近くにいればよかった。


もっと手も繋ぎたかったよ……。