天馬くんは危険です!〜イケメン男子と政略結婚〜



きっとすごく辛いと思う。


咲にそんな思いさせたくなかったよ……。


ふっと涙が溢れて頬を伝った。


「お姉ちゃん!?」


「あ、ご、ごめんっ」


慌てて両手で顔を隠したけど間に合わなかった。


「お姉ちゃんって……人が良すぎるよ。もっと貪欲で良いのに」


「そんな風に思えない。だって咲は私の大事な妹だから」


ぷっと笑った咲はマスクを外して空を見上げた。


「私は幸せだよ?お姉ちゃんにもこんなに思われて、沢山のファンにも愛されてるし……ね?」


にこっと私の方を向いて笑う咲。


「咲……」


「だからお姉ちゃんも幸せになってくれないと、私は辛くなるし仕事だって手につかなくなるよ!私はね、天馬を失うよりお姉ちゃんを失う方が嫌なの!お姉ちゃんにはずっと笑っててほしい」


私を見る目が綺麗でまっすぐで、それに偽りはないと感じた。