神城くんの後姿を見ていたら、急に振り返ったので驚いた。
「下の名前ってちひろだよな?」
「え、うんっ」
「じゃーそう呼ぶから。俺の事も天馬って呼べよ」
「えっ、ててて天馬くん!?」
「ぶっ」と吹き出された。
「はい。ててて天馬くんです」
笑いながら右手を上げてきた。
「馬鹿にしないでよ……慣れてないんだからしょうがないでしょ」
「わりぃ。呼び捨てでいいよ?」
「無理っ……天馬くんにする」
笑った顔は本当に無邪気で可愛い一面もあるんだ……とまた見惚れてしまった。
なんだろう、初めてこんな風にしゃべったはずなのに初めてじゃないというか……。



