「教室じゃこんな話できねぇし、ここに来れば倉木さんと話せると思って」
「そうだったんだ……」
「ここいいな。なんか現実逃避できる」
そう言って神城くんは柵の方に行き、校庭を眺めた。
「でも……安西先生にバレたし、鍵直されるかも。そしたらもう来れないよね」
「あ?そんなん鍵もらっとけばいいだろ」
「えっそんなこと……」
でも神城くんなら可能かもしれない。
さっきの安西先生の態度見てたらそんな気がしてきた。
あの有名なポニーの跡取りだもんね……。
数年間といえど、そんなところの息子と私が結婚だなんて、本当に信じられない。



