「ちひろが怖がることしねーから。今日はな?」
「今日はって……」
「ただ全部にキスしたいだけ。ちひろの全部が見たいんだよ」
「ちょっとそれ変態発言……引くわ」
「うるせーよ、俺は包み隠さず言ってんのに」
「ぷっ」と思わず笑ってしまった。
「何笑ってんの」
ちょっとムスッとした顔で私の右頬を軽く抓る。
「ごめんっ……いや、天馬くんってこんな人なんだって……新鮮で」
「好きな女にはこうなんだよ、悪い?」
おでことおでこをくっつけてきて。
本当に可愛いんだけど。
「天馬くんはさ……私のどこを好きになったの?いくら助けたからって事故の時に一瞬会っただけなのに」
「んー……事故った時ちひろも震えてたくせに俺の手を握って〝大丈夫〟って言ってくれてたんだよな」



