「で、今日は婚約できないってことを伝えに行ってたわけ。結局こうやって咲のこと傷つけてしまったんだけどな……」
「天馬くんの気持ちわかるよ。私も咲が大好きで傷つけたくなくて自分の気持ち押し殺してた」
「自分の気持ちって?」
「えっ……」
「なに?」
わかってるくせに!
天馬くんは意地悪そうに笑いながら私の顔を覗いてくる。
「い、言わない!」
「俺に隠してどうすんだよ、俺は言ったのに。お前以外考えらんないって」
う……。そうやって簡単に言っちゃうんだもん。
私は近すぎてそれだけで顔から火が出るくらい熱いのに。
「私だって同じ……だよ。いつの間にか天馬くんのこと好きになってたの!」
「よく言えました」
私の顔を両手で包み込むとふわっとキスをしてそれからぎゅっと強く抱きしめてきた。
やば……私の心臓バクバクいってるの天馬くんに聞かれちゃう!
「あのっ離れ……」
「やだ。やっと捕まえたんだから」
なんだろこの甘えっ子な生物は……。
可愛すぎて身震いする。



