「よし。とりあえずこれからは婚約者ってことで接するから」
「りょ、了解……」
婚約者って言葉、なんか照れるな。
天馬くんは私の頭の上にポンと手を置いた。
気軽に触られるのには慣れなくてドキッとする。
「ところでさ……神城くんはよくここに来るの?」
「こねぇよ。倉木さんは結構来るでしょ?教室からここ見えるんだよね」
神城くんにバレれてたんだ!?
嫌なことがあると気分転換によく来てた。
今日だって義父にイヤミを言われてむかついてたから来たんだった。
そうだ、やっぱりあんな義父の言いなりになる人生なんて嫌だ。



