天馬くんが私の顔を見つめてきてドキっとした。
「それで決めた、ぜってーあの子より強くなるって。そんで次は俺が守ってやりたいって」
「天馬くん……」
天馬くんの手の甲が私の頬にそっと触れる。
でも表情がどことなく暗くて。
「でもお前に会うのも怖かった」
「なんで?」
「俺がちひろの親父さんを殺したようなもんだから。俺の事恨んでるんだろうなって。きっとお前は会いたくねぇだろうなって思ってた」
ふっと視線を下に落とす。
こんな顔の天馬くんは初めて見る。
自信がないような、いつもの彼じゃなくて。
私は天馬くんが座っている正面にしゃがんで、両手を握った。
「そんなこと……一度も……一瞬も思ったことないよ」
「……」
「お父さんは助けられなかったけど、男の子はどうしても助けたかったから……こうやって無事でいてくれて嬉しい」



