一応天馬くんの元婚約者なのにそんな私のことを狙ったりするかなぁ……。
何回か話したことあるし頼みやすかっただけなんじゃ……。
無意識に高峯くんの方を見たら、天馬くんとまた目が合ってしまった。
えっなんでまた……。
すぐ逸らされたけど。
そして何事もなかったように周りと談笑している。
はぁ……天馬くんの姿見るたびに胸が苦しくなるの、早くどうにかならないかなぁ。
家に帰り自分の部屋のドアを開けようとした時、咲が部屋から出てきた。
「お姉ちゃんおかえり」
「咲!今日は体調大丈夫?」
「もう大丈夫だよー、お姉ちゃん気にしすぎ!」
笑ってる咲は少し元気を取り戻したみたい。
あれからしばらく塞ぎこんでいたけど、少しずつ仕事や学校にも行くようになって。



