「今ここで親に電話します?先生が疑ってるんだけどって」
ポケットからスマホを取り出すと安西先生が焦った様子で「わかったわかった!」とそれを阻止した。
「倉木、わるかったな。先生知らなくてなっ……」
安西先生の態度に驚いた。
さっきと全然違うじゃん!
神城くんってどんなひとなのよ!?
安西先生は「早く教室戻れよっ」とにこやかに言って去って行った。
その後ろ姿を茫然と見ていると横で神城くんが「ぶっ」と吹き出した。
「神城くん!?助けてくれたのはありがたいけど、あんな嘘ついてどうすんの!?」
「嘘じゃないし」
「は!?」
「その顔はやっぱ聞いてねーんだな。俺ら婚約するって」



