「うん……あ、そういえば、今度結婚相手の家と食事会あるんでしょ?」


「あー、そうみたい。咲も忙しいのに参加するんだよね?ごめん」


「なんで謝るのっ相手の人見てみたいし参加するに決まってるでしょ!で、昨日その人のところに泊まったんだよねぇ?」


咲がニヤニヤしながら聞いてくる。

昨日の事を思い出したら、咲と目が合わせられなくなった。


「うん……」


「なに!?なんかあったんだー!?」


「別に……なんもないよ!」


「えーうそぉ?ね、名前なんていうの?」


「名前はね、て……」


ガチャッ


私が言いかけたとき、義父がリビングに入ってきたから喋るのをやめた。

私の顔を見て、義父の表情が険しくなる。


「帰っていたのに挨拶もなしか」