外を歩けば耳に入ってくるのは車の騒音や行きかう人の話し声。

ノイズにしか聴こえないそれに、耳を塞ぎたい気持ちに襲われていた。



男は気がつかぬうちにどんどん足早へとなっていた。




家の通りまで出たのならノイズを聴くことは少ない。


ふと、空を仰げば淀みのない空気に青々とした空色、真っ白な穢れの無い雲が浮かぶ。




綺麗だと言えるこの空さえも、男の心が僻んでいるため「くだらない」と一言で終わる。

男は手をポケットに突っ込み、家に帰るために歩みを進めていた。



途中、コンビニ弁当を買う。

手に袋をぶら下げて家に帰れば整理整頓された小さな部屋。

物はあまり置かれておらず簡素な部屋でもある。



男は茶色のテーブルに袋ごとコンビニ弁当を置いた。