安心で、また涙が流れた。


「里奈から離れろよ」


低い声で言い放った彼の顔は、怒りに満ちていた。


「ああ?そっちこそどっか行けよ」


片方の人が冬夜くんに反発する。


私を押さえ込んでいる人の手は、脚から太ももを撫で、制服に手をかけた。


「いやっ!」


思い切り反抗の声をあげると同時に、冬夜くんの方にいた男の人が蹴り飛ばされた。


そのまま私たちの方へ向かってきて、私の手を掴んでいる男の人の手をグッと握り、ひねり揚げた。


「うっ!」


かなり痛かったらしく、その人は私から遠ざかる。


「里奈、行くぞ」


私を前にして、歩かせてくれる。


少し移動して、公園のベンチに座ると冬夜くんがほっとしたように息をついた。


「......よかった」


冬夜くんは、意地でも私に触れてこない。