「そうそう、波打ち際のハートの写真凄いね。めちゃくちゃ綺麗で待ち受けにしたいくらい。さすが藤井君」


「マジ奇跡の瞬間。……君だけに待ち受け許可するよ。後 ……凌でいい。……あの日は、天使と彩雲も連発。翌日は、ハート雲。かおりちゃんといると祝福感じる。君が、天使の波動だから動くパワースポット」


そう言って頬を赤らめた私の頭に手を置き嬉し照れ顔で笑った。


「……大袈裟。藤……凌君……こそ私のパワースポットで守護神みたい。いつも優しく癒して護ってくれる」


熱い頬で初めてあなたの名前を呼んだ瞬間、また物凄く照れながらも嬉しげな表情に、もうもうっ! 私のハートからキラリ輝くピンクの星屑が放たれた。

そんなあなたを隣で見つめる時間が幸せすぎて本気で時が止まるのを願う。


「かおりちゃん、昔と背変わんなくね?」


そして照れ隠しのように話題を変えてきた。


「多分。どうせチビです。……凌君は、凄く伸びてる」


「まぁね、183。20cmは、伸びた。いいじゃん小さくて可愛い」


ゆっくり頭を撫でられプチ睨みすると、ふと柔らかな瞳で愛でられ胸がキュンとハート型に変化した。


「俺小さくてキュッと包み込めるの堪んない。……寒くない?」


「……平気」


実は、ずっと寒いの我慢中。

無我夢中で飛び出したからパジャマにノーブラで本があって良かった。

でも寒くてもまだあなたと居たい。

ずっとずっとあなたの傍に居たいの。


「嘘つき」


そう呟き私に体を向けしばらく躊躇した後、長い腕でこの冷えた体を優しくキュッと包み込んだ。


「……やっぱジャストツボ」


僅かに冷たい春風が、微かに爽やかな柑橘系の香りを広げ鼻腔をくすぐり、その心地良さに硬い蕾のような体が少しずつ花開くように緩んだ。

逃げ出したくも決して逃げたくない。

そんな矛盾な心で好きが炭酸の如く溢れ出し、あなたの腕の中で身も心も1mmの隙間なくベストフィットする感覚に酔いしれる。

ずっとずっと探し求めていた私の唯一無二の居場所はここだと体中全ての細胞が教えてくれる、魂が歓び輝き放つのを感じていた。

……好き……大好き。

今すぐはち切れそうに膨らむあなたへの熱い想いと期待を胸に抱き、まだ伝えられないもどかしさが苦しく胸に迫り目の前の広い胸にそうっとおでこを預けた。

あなたは、一呼吸の後もう一度腕に力を込め私の髪に頬を寄せる。