__「好きだからそうしたんだよ」


昨夜の朝陽の言葉を聞いて。

いや、その前から。

朝陽の頭を、大事に抱えたあの夜から。

あの夜を思い出せば、その感覚は呼んでもいないのにやってくる。

それはいつから私の中にあったのだろう。

いつの間に芽生えていたのだろう。

その気持ちの名前を、私はもう知っている。

だから、ここの部分は、本当はもうとっくに埋められるはずなのに。

その答えを書くのが怖いから、わからないふりをしている。

書いた瞬間に傷つく自分に出会うから。

だからいつまでも、空欄のままだった。