「な、なんで……したの?」 そう。これが一番の疑問だった。なんで、私なんかに。 岩瀬が言いにくそうに口を動かしていく。 「……えーと」 「……」 「笑った顔が……」 「……」 「……」 「……」 「……その、可愛かったから」 「……」 「だから、つい」 「つい?」 「してしまいました。ごめんなさい」 岩瀬はそう言って深々と頭を下げた。それは机に額がつく位に。