「佐倉さーん、これ資料まとめといたから」


手渡されたのは、次の委員会までにまとめておかなければならない各グループがまわるコース表だった。



「……ありがと」


なんて素直にお礼の言葉が出るのは、あの一件以来少しだけ岩瀬 智樹を見直した証拠。


チャラチャラしていて不真面目そうな岩瀬が、ちゃんと働いてくれた。
班決めも率先してまわりをまとめてくれたし、コース決めの時だって、皆のそれぞれの要望に対して、そんなの聞けるかよって軽くのしちゃうし。



「岩瀬くんって、意外に仕事の効率いいんだね」

「意外って、何だよ。俺どんだけ信頼されてないわけ?」


岩瀬は呆れた様に口を尖らせた。