ガラガラッ




「竜胆くん、失礼しますって言いなさいって言 ったわよね?」


圭「さーせん。」



「はぁ...ほんとに...1番右のベッド以外ならどこ使ってもいいわ。」


圭「ありがとうございます。」




なんだかんだ俺の自由を許してくれている保健室のまりちゃん?(恭一が言ってた)、に許可をもらいベッドに寝転んだ。



女に絡まれると無駄に疲れてしまう。
絡まれた後、ここへ寝にくるのが習慣となっていた。









ガラガラッ
「しつれーしまーす。」


誰か入ってきた。しかも案の定、女。




圭「最悪だな...」


その女は1番右のベッドにはいって独り言を言っている。


はぁ...
よくこれだけ1人で喋れるなこいつ。







シャッ
圭「うるせぇ…」
カーテンを開けて一言そう言った。








「え、あ、ごめん?」

言われたそいつは驚いた顔をしてこちらを見ている。

(なんでマスクしてんだこいつ)



そろそろ夏にさしかかろうとしている今の時期にマスクなんて...と思ったが、


そんな事よりマスク越しでもわかる整った顔。
大きくぱっちりとした漆黒の瞳に影を落とすほど長いまつ毛。
絹のようにサラサラとした黒髪は光にあたって青みがかっている。



とにかくその容姿に目がいった。







...まぁどうせこいつも顔だけだ。
そう思い、


圭「なぁ、睡眠の邪魔になるから出てって来んね?」



だがそいつはこっちをボーッと見たまま返答しない。
なんだこいつ…


圭「おい、聞いてんのか」


案の定そいつは聞いていなかった。

ただの怖いもの知らずか?それとも俺を知らないのか...とにかく、いちいち失礼な反応をするやつだ。