「……ねえ、くーちゃん。これってさ、結構やばくない?」
唐突に奏さんが、来海に話しかけていた。その顔の青さが妙に引っかかる。
「……嘘、でしょ? だって、えっ? なんでそんな事になるのよ。」
「おい、どうしたんだよ。そんな血の気の無い顔して。」
俺はそう言うと、二人が見ているスマホの画面を覗き込んだ。そこには俺のツイートのリプライが映っていた。
「『脱水症状で亡くなった人を発見、この情報って本当だったんだ。』……えっ? これって、そう言う事なのか?」
詳細までは書かれていなかったが、発見当時の状況を書き込んだ人の情報から察すると、概ね俺らのパターンと一致した。
「うちが紗南っちの家から見つけた紙きれ。これが現実で起きてるって事っしょ?」
『見ておけよ。これから本当の地獄を見せてやる。』っか……。
これって、脅迫文?
ということは誰かが意図的にやったのか……。
「こいつが犯人って事なのか?」
「そうでしょうね。この一件の黒幕が仕掛けたんじゃないの?」
来海がそう言うと、一好は重ねるように言った。
「そうだとしてもさ、どうやってこんな事仕掛けたんだ? そして誰がこの殺人を犯した?」
「少なくとも、今の俺らには分からねえよ。何一つな。」
一好は突き放すようにそう言った。
「うわ、目つきの悪い野郎が、やっと口開いたと思ったら、なんかまともな事言ってる。」
「ほんと―。マジで久々に喋ったんじゃね?」
いつものノリが始まり、一好も目つきの悪い顔で俺らのボケに突っ込んでいく。
しかし、一人だけ考えに耽っている人間がいた。
「おい、どうしたんだよ。」
俺の単純な質問に対して、斜め下に目線を向けながら言った。
「ねえ、やり返さない?」
「お前、何を言って……。」
相手はどんな凶悪な殺人犯か分からないのにも関わらず、自分達から危険を顧みず飛び込んでいくのか?
それこそ、医者の言っていた、自分たちの体を気遣う事じゃないのか?
そう思ったが、凄い剣幕で俺の言葉を遮ると、来海は叫んだ。
「だって、悔しいんだもん‼ 何も出来ずにただただ見てるだけなんてさ‼」
「そんなの、俺らみんなそうだ。でも、いくらなんでも危険すぎる。」
「危険だから、なに? そんなの理由にならない。だってあの子たちは皆、危険な道を今もなお、歩き続けているの。あの子たちに比べたら、何倍もマシよ。」
確かに、彼らは今も生と死を彷徨っている。俺らに出来ることだったら、何だってしたかった。
しかし俺らの想いとは裏腹に現実は非情だった。
「俺らに、何が出来るんだよ……。」
「言ったでしょ、やり返すって。だからまずは、犯人探しからね。あの子たち睨みを持っている人がいないか、洗っていこうじゃないの。丁度夏休みなんだから、皆暇でしょ?」
来海が言うなよ。
おまえが一番大変なくせにさ・・・・・・。
「こん中で、一番忙しいの、お前なんだからな。過労で死んだりすんなよ。」
「当たり前よ。そのために、夏休みの宿題は全部片づけたし。後は塾で出る課題だけだから、そんな心配しなくても大丈夫よ。」
「なら良いけど……。」
というか、宿題終わるの早すぎじゃないか?
夏休みはまだ始まったばかりなのに、どんなスピード感でやってんだよ。
「二人は?」
「楽しそうじゃん‼ やるに決まってるっしょ‼」
「俺もやるぞ。動いてないと、嫌だからな。」
二人に関しては、俺と対照的にやる気に満ちていたようで、全身から炎を発しているようだった。
「だってよ、来海。」
「よし。じゃあ、早速明日からやるから、駅前のファミレス集合ね。あと、グループライン作りましょうか。」
一番の熱の発生源は来海らしい。近づくだけで、熱中症になりそうだった。
四人のグループラインが出来上がり、『来海バスターズ』なんて幼稚園生が考えそうなグループ名が決まったところで解散となった。
唐突に奏さんが、来海に話しかけていた。その顔の青さが妙に引っかかる。
「……嘘、でしょ? だって、えっ? なんでそんな事になるのよ。」
「おい、どうしたんだよ。そんな血の気の無い顔して。」
俺はそう言うと、二人が見ているスマホの画面を覗き込んだ。そこには俺のツイートのリプライが映っていた。
「『脱水症状で亡くなった人を発見、この情報って本当だったんだ。』……えっ? これって、そう言う事なのか?」
詳細までは書かれていなかったが、発見当時の状況を書き込んだ人の情報から察すると、概ね俺らのパターンと一致した。
「うちが紗南っちの家から見つけた紙きれ。これが現実で起きてるって事っしょ?」
『見ておけよ。これから本当の地獄を見せてやる。』っか……。
これって、脅迫文?
ということは誰かが意図的にやったのか……。
「こいつが犯人って事なのか?」
「そうでしょうね。この一件の黒幕が仕掛けたんじゃないの?」
来海がそう言うと、一好は重ねるように言った。
「そうだとしてもさ、どうやってこんな事仕掛けたんだ? そして誰がこの殺人を犯した?」
「少なくとも、今の俺らには分からねえよ。何一つな。」
一好は突き放すようにそう言った。
「うわ、目つきの悪い野郎が、やっと口開いたと思ったら、なんかまともな事言ってる。」
「ほんと―。マジで久々に喋ったんじゃね?」
いつものノリが始まり、一好も目つきの悪い顔で俺らのボケに突っ込んでいく。
しかし、一人だけ考えに耽っている人間がいた。
「おい、どうしたんだよ。」
俺の単純な質問に対して、斜め下に目線を向けながら言った。
「ねえ、やり返さない?」
「お前、何を言って……。」
相手はどんな凶悪な殺人犯か分からないのにも関わらず、自分達から危険を顧みず飛び込んでいくのか?
それこそ、医者の言っていた、自分たちの体を気遣う事じゃないのか?
そう思ったが、凄い剣幕で俺の言葉を遮ると、来海は叫んだ。
「だって、悔しいんだもん‼ 何も出来ずにただただ見てるだけなんてさ‼」
「そんなの、俺らみんなそうだ。でも、いくらなんでも危険すぎる。」
「危険だから、なに? そんなの理由にならない。だってあの子たちは皆、危険な道を今もなお、歩き続けているの。あの子たちに比べたら、何倍もマシよ。」
確かに、彼らは今も生と死を彷徨っている。俺らに出来ることだったら、何だってしたかった。
しかし俺らの想いとは裏腹に現実は非情だった。
「俺らに、何が出来るんだよ……。」
「言ったでしょ、やり返すって。だからまずは、犯人探しからね。あの子たち睨みを持っている人がいないか、洗っていこうじゃないの。丁度夏休みなんだから、皆暇でしょ?」
来海が言うなよ。
おまえが一番大変なくせにさ・・・・・・。
「こん中で、一番忙しいの、お前なんだからな。過労で死んだりすんなよ。」
「当たり前よ。そのために、夏休みの宿題は全部片づけたし。後は塾で出る課題だけだから、そんな心配しなくても大丈夫よ。」
「なら良いけど……。」
というか、宿題終わるの早すぎじゃないか?
夏休みはまだ始まったばかりなのに、どんなスピード感でやってんだよ。
「二人は?」
「楽しそうじゃん‼ やるに決まってるっしょ‼」
「俺もやるぞ。動いてないと、嫌だからな。」
二人に関しては、俺と対照的にやる気に満ちていたようで、全身から炎を発しているようだった。
「だってよ、来海。」
「よし。じゃあ、早速明日からやるから、駅前のファミレス集合ね。あと、グループライン作りましょうか。」
一番の熱の発生源は来海らしい。近づくだけで、熱中症になりそうだった。
四人のグループラインが出来上がり、『来海バスターズ』なんて幼稚園生が考えそうなグループ名が決まったところで解散となった。
