僕らは運命の意味を探していた。

「とりあえず集まった事だしさ、中入ろうよ。」

 来海は見計らったようにそう言った。

 四人はクーラーの効いた院内に入っていった。汗をかいた部分が冷えていく感覚がとても気持ちよかった。
 院内は当然というべきなのか、清潔感のある内装だった。

 ミントのような爽やかな色のソファが受付と向かい合うようにして並べられている。

 患者さんの姿はほとんどなく、慌ただしい様子も見受けられないから、患者の人数が少ないだろう、という偏見的な印象を得た。

「六○六号室です。どうぞ。」

 受付で看護師さんから告げられた番号を元に、合致する部屋を探す。

 俺たちは同じ足取りで歩いて行くと、看護師さんの告げた部屋番号の前まで来た。

 コンコン、二回右手の人差し指でノックをする。もちろん返ってくることは無かった。
「来たぞ‼」

 返されることの無い会話のラリー。それを感じるだけで胸が張り裂けそうになった。

 白を基調にした四人部屋には、瞼を重く閉じた面々が、横になっていた。

 黄色のカーテンで仕切られているものの、雰囲気だけで言うと、確実にそのカーテンは意味を成していなかった。

「ああ、君たちか。今日も元気がいいな。」

「こんちわ。四人はどうですか?」

「昨日と何も変わりはないよ。」

 涼しげな顔で答える先生。でも、気を使ってくれているようで、少しだけ口角が上がっているように見えた。

「あんまり出しゃばった事をするのは、良くないと思うんだけどね。」

 少し僕らを心配そうに見つめる。

「心配な気持ちは分かるよ。私だって医者のはしくれだから、患者さんには一刻も早く退院して欲しいからね。」