僕らは運命の意味を探していた。

 それからも、とどまる事を知らずに、マシンガントークを繰り広げた。

 あきと紗南は今まで友達として、親しい関係を築いてきたと思っていた。

 だからあまりの衝撃に言葉を失っている。僕は自称司令官に、今後の展望について聞いた。

「じゃあ、この現状を打開できる方法を、友花は司令官になって見出せるのか?」
「そんなの簡単よ。あんたらが私の言う通りに動いていればいいの。」

 発言や行動、全てにおいて司令官という肩書を持つべき存在としては程遠いように、僕は感じた。

「この命を懸けた脱出ゲームに、そんな事で脱出できるなんて、よっぽど自信があるんだな。」

 僕は呆れ混じりにそう言った。友花は何か間抜けな物を見たかのように笑った。

「これが脱出ゲームだなんて、まだそんなこと思ってるのかしら。そうだとしたら、笑いが止まらないわ。」

「なん、だって……?」

「これは脱出ゲームなんかじゃないわ。地獄の片隅よ。」

「地獄の片隅? なんだそれ。」

「じきに分かるわ。この世界から抜け出せるなんて、ただの妄想に過ぎないって。あんたらは、脱出のために頑張ってたみたいだけど、頑張っても頑張らなくても一緒。バッドエンドが見えてくるだけよ。」

 正直盲点だった。

 僕は決めつけていた。

 ゲームマスターが『自分たちの力で脱出してみろ』と言われた瞬間に、必ず方法が転がっているものだと思い込んでいた。

「あらあら、探偵気取りの真道君が青ざめた顔をしてるわよー。何て滑稽な姿なんでしょうー。」

 右手の人差し指を僕に一直線に向けて、見下すように僕を見ている。人を小馬鹿にした言い方で、僕を罵って来た。

 確かにそうだ。なんで僕はその可能性を排除していたのだろう。

 驕っていたのか? 

 調子に乗っていたのか? 

 好きな人の前でカッコつけたかったのか? 

 いや、どれも違うな。じゃあ、なぜなんだろう……。

 いくら考えを巡らせても、自分には分からなかった。

 皆も、考え付きもしなかった可能性に狼狽し、言葉を失っていた。

 僕に至っては頭が真っ白になって、次の言葉を探すのをやめていた。