僕はおもむろに思い出してみた。
あれは、二時間前の話。まだ基地の中で作戦会議をしていた時。
「今日は二手に分けて、捜索をする。」
今日も司令官言こと、俊也はご健在の様子だった。
深夜、あきと昇降口前の階段で休んでいた際、鳴り響いていた轟音を聞いた時は少々心配したが、万全の顔色がその心配をかき消してくれた。
「でも何で二手に分かれるの?」
「なんでよ。効率が落ちるじゃないか。」
「ううん。そうじゃなくて……」
僕は二人の意見を否定した。順を追って、理由付けをしながら、自分の意見を話した。
「今は効率より安全重視。人員が一人でもいなくなれば、こちら側の損害は大きくなるでしょ? それを防ぐために、二人で行動すれば一人が緊急事態でも、すぐに対応が出来るから。」
まだ始まって二日目。
始まって間もない今、無理な行動を起こして下手に戦力を失うのは自殺行為に近い。
早く脱出したい気持ちもあるが、今はそのはやる気持ちを抑えて、安全に行くのが先決だと思う。
対立した二つの意見は僕と司令官側の意見でまとまり、行動に移っていく。
「真道、ありがとう。そう言う事だから。これからくじを引いて、赤同士もしくは白同士がペア。余った人がここに残って、緊急事態の時のために準備をしておいてくれ。」
司令官は大まかな概要を説明して、机の下から手のひらサイズ程のくじを取り出した。
「なあ、くじってどうやって作ったんだ?」
「それはな、机の破片とか集めて、落ちてた赤と白のテープを使って作ったんだよ。」
平然とした顔で、僕の質問に受け答えしてるけど、冷静に考えて司令官の言動は、現実離れした内容過ぎてないか?
まだ机の破片を集めた辺りまでは良かったが、テープが地べたに、しかも自然と落ちている状況がある訳がない。流石、この世界だ。
というか、ゲームマスターって意外と優しいのかな?
さも普遍的に事は進んでいるが、どうしてこれだけ協力的なんだろうか。
いや、考えすぎか。たまたまって事もあり得るし。これからの動向を見てから判断しよう。
「せーの!」
僕らは、小学校低学年のような活発的な声を上げて、くじを引いた。
そして結果は、僕と紗南が白。川上とあきが赤。司令官が余りという具合に落ち着いた。
「あきの奴、何か背中が寂しそうだったぞ。お前何かしたのか?」
司令官は興味津々に聞いてきた。
「いや、心当たりはないけど……。」
「もしかして……、好きとか?」
「な訳あるか!」
「はいはい。ヘタな嘘つかなくていいよ~。ほんと、真道って分かりやすいね。」
これだからギャルは嫌いだ・・・・・・。
僕は目の前で、紗南がお腹抱えて涙を流しながら笑っている姿を見て、そう思った。
「あー……。ごめんごめん。つい反応が面白くってね。」
「ったく……。」
あれは、二時間前の話。まだ基地の中で作戦会議をしていた時。
「今日は二手に分けて、捜索をする。」
今日も司令官言こと、俊也はご健在の様子だった。
深夜、あきと昇降口前の階段で休んでいた際、鳴り響いていた轟音を聞いた時は少々心配したが、万全の顔色がその心配をかき消してくれた。
「でも何で二手に分かれるの?」
「なんでよ。効率が落ちるじゃないか。」
「ううん。そうじゃなくて……」
僕は二人の意見を否定した。順を追って、理由付けをしながら、自分の意見を話した。
「今は効率より安全重視。人員が一人でもいなくなれば、こちら側の損害は大きくなるでしょ? それを防ぐために、二人で行動すれば一人が緊急事態でも、すぐに対応が出来るから。」
まだ始まって二日目。
始まって間もない今、無理な行動を起こして下手に戦力を失うのは自殺行為に近い。
早く脱出したい気持ちもあるが、今はそのはやる気持ちを抑えて、安全に行くのが先決だと思う。
対立した二つの意見は僕と司令官側の意見でまとまり、行動に移っていく。
「真道、ありがとう。そう言う事だから。これからくじを引いて、赤同士もしくは白同士がペア。余った人がここに残って、緊急事態の時のために準備をしておいてくれ。」
司令官は大まかな概要を説明して、机の下から手のひらサイズ程のくじを取り出した。
「なあ、くじってどうやって作ったんだ?」
「それはな、机の破片とか集めて、落ちてた赤と白のテープを使って作ったんだよ。」
平然とした顔で、僕の質問に受け答えしてるけど、冷静に考えて司令官の言動は、現実離れした内容過ぎてないか?
まだ机の破片を集めた辺りまでは良かったが、テープが地べたに、しかも自然と落ちている状況がある訳がない。流石、この世界だ。
というか、ゲームマスターって意外と優しいのかな?
さも普遍的に事は進んでいるが、どうしてこれだけ協力的なんだろうか。
いや、考えすぎか。たまたまって事もあり得るし。これからの動向を見てから判断しよう。
「せーの!」
僕らは、小学校低学年のような活発的な声を上げて、くじを引いた。
そして結果は、僕と紗南が白。川上とあきが赤。司令官が余りという具合に落ち着いた。
「あきの奴、何か背中が寂しそうだったぞ。お前何かしたのか?」
司令官は興味津々に聞いてきた。
「いや、心当たりはないけど……。」
「もしかして……、好きとか?」
「な訳あるか!」
「はいはい。ヘタな嘘つかなくていいよ~。ほんと、真道って分かりやすいね。」
これだからギャルは嫌いだ・・・・・・。
僕は目の前で、紗南がお腹抱えて涙を流しながら笑っている姿を見て、そう思った。
「あー……。ごめんごめん。つい反応が面白くってね。」
「ったく……。」
