僕らは運命の意味を探していた。

「でもね、全部ひっくるめて『春原真道』という私の大好きな幼馴染だから。」
「あき……。」

 僕はそれ以上言葉を紡げなかった。

「まずさ。君は、自分のマイナスな面しか見てないんだよ。沢山いいとこあるのに、どうしてネガティブに走るのかな……。」

「それも、僕の性格なんです……。」

 呆れた口調のあきに対して、縮こまったように、僕はそう言った。

 でもこれ以上後ろを向いては、いけないのだろう。あの時に僕は、そう決意したはずだ。

 だからもう一度、あきにチャンスを貰いたい。今度は僕から行動する番だ。

「あき。」

 僕は涙を拭いて、顔を上げた。そしてベンチから立ち上がると、あきの真正面に回り、一歩下がって、あきの顔を真っすぐに見た。

「前向きになるために、あきと一緒にいさせてください。僕にチャンスをください。」

 僕は頭を下げ、右手を真っすぐあきに差し出して、彼女の返答を待った。

 どんな答えが返って来ても、僕は全てを受け入れるつもりだった。

「普通に付き合ってくださいって言って欲しかったけど……。まあ、マー君らしいか……。」

 僕は、あきの姿を直接見ている訳じゃなかった。