僕らは運命の意味を探していた。

 しかし、事件が明るみになれば社長はもちろん、二人の親族も逮捕される。

 SNSの発達した社会で、この問題が世間に知られれば、自分たちの顔だってネット上にさらされかねない。

 そうなれば、自分たちは居場所を失い、一生肩身の狭い思いをしながら生活していくことになる。

 それを危惧した二人は迂闊に抗うことも出来ず、従う道を選択した。

 関係者も二人にそんな境遇に追いやる事は避けたかったから、情報を漏らすことはしなかった。

 これは二人から聞いた話で、十中八九真実だと思う。そんなこすい手を使った社長を僕は、一生許すことは出来そうになかった。

 僕は全ての事柄を話し終え、一岡の返答を聞いた。

「全部知ってたんだね、君は……。私と対峙するまでに、そこまでの情報を手に入れてた。やっぱ君は凄いよ……。」

「僕一人で集めたんじゃない。紗南や司令官、あきや友花。皆が協力してここまでに至ったんだ。」

 僕は一岡の言葉を否定した。

 彼は、まるで僕の手柄とでも言いたいようだった。

 しかし、実際はそんなはずがなかった。

 皆がいなかったら、ここまでたどり着けてなかったのだから。僕一人でここまで出来たのなら、犠牲者は確実に減っていただろう。

 しかし今、そんな関係のない話をしている場合ではなかった。早く帰還の情報が欲しい。

「一岡の質問には全部答えた。さあ、早く脱出の方法を教えてよ。」

 僕は必死な形相で一岡、いやゲームマスターに問うた。