「…人の好みを否定すると、友達がいなくなるんだろ?」
「たしかに私はそう言った。だけど、人の好みを否定するのと自分の好みを否定することは違う」
「何、偉そうに」
「当たり前のことを言ってるだけだ。自分の好きなことを嫌いにすることができた人間を、私は見たことがない」
「……」
「元ライバル、お前に果たし状を出そう」
「はあ?」
「2週間後の5月23日。あの日、決着をつけたコートで会おう」
「………」
「私が勝ったら、お前はもう一度戻ってこい。お前が勝ったら、好きにすればいい」
「…私はもうお前のライバルでもないし元ライバルでもない。北条リオと呼べ」
「ではリオ。私は躑躅伊豆(つつじ いず)だ。気軽にイズイズと呼べ」
「どういうあだ名だよ」