体育着に着替え終わって、私はヒリヒリした手を見る

「……なんで、気づいてあげられなかったんだろ…」

その時、女子部屋のドアをノックする音が聞こえた

「柏木さん、ちょっといい?」

神崎くんだ

「うん、どうぞ」

柏木くんはドアを開けると、部屋に入ってきた

「大丈夫……じゃあ、ないよね」
「ううん!もう平気。ごめんね、いろいろ迷惑かけちゃって…」
「ううん、僕、何も力になれなかったし…」
「あの後、どうなった?」
「とりあえず、北条さん達がすごい証言してくれてたよ。他にも何人か。だけど、上のグループの人たちは知らんぷり。岡本くんが、柏木さんに謝るってことで、終わったんだけど…」
「……そっか」

私は笑って、玄関まで歩く

「さ、みんなのところに戻ろう」
「…柏木さん、無理してない?」
「ん?してないよ」

こんなことで無理なんてしてたら、國谷くんに笑われちゃうよ