棗くんからは逃げられない

「………」

「え?」

「棗くんの嘘つき……」

「ぅぉ…ここで棗が出てくんのか…?」

起き上がり、呟いた私に琴羽が目を丸くした


買い出しの一部始終を琴羽に説明した


「………私だけって、言ってたのに」

「は?」

「………うぅ……」

「実乃梨」

「はい」

膝に顔をうずめた状態で琴羽に目を向ける


「あんたさ、」

「んぅ?」

私の頬を挟み、にや、とした笑顔を浮かべた