棗くんからは逃げられない


「っぅぅ……」

泣いた痕があって教室に戻れない私は、中庭でうずくまっていた


棗くんから逃げてきて、岡田くんに慌てられ、………
なにしてんだろ…


「実乃梨!」

「きゃ…ふっ…」

勢いよく抱きつかれ、芝生の上に倒れる


「泣いたって聞いて飛んできた!どうした?裕太がいじめた?とっちめる?」

「ふっ……」

「なっ!」


心配そうに言葉を紡ぐ琴羽にまた涙が溢れてきた
と、同時に言葉がおっかなくて笑みがこぼれる


「どうしたっみのり、おかしくなった!?」

「うぅ……ことはぁ…」

「なにぃ」

見ると、琴羽も泣きそうになっている