「ユルちゃん?」

それは、いつか棗くんちで会った棗くんの妹だった


「はいっ!棗柚琉です!実乃梨ちゃんさんお久しぶりです!」

おひさしぶり、というほど前でもない気がするが頷く


「ユルちゃん~、学校帰り?」

「はい、ただいま絶賛下校中です」

ユルちゃんの明るさに頬が緩む


「……あっ、岡田くんごめんね?友達!」

「あ、おぉ」

「あのですね、1つ助言しておいて差し上げます」

私から離れ、岡田くんに顔を寄せ、指を一本立てたユルちゃん


「初対面で威嚇するのはやめた方がよいかと思われますぞ?」

「は……」

「“おい”とか怖いですもん」

くすくす、と肩で笑うユルちゃん

その軽快なしゃべり方に岡田くんはあっけにとられておる様子