棗くんからは逃げられない

~*~*


「実乃梨」

「………」


「実乃梨、よだれ垂れてる」

「ふぇっ…!?」

慌てて飛び起きて口の端を拭う


「うそ」

だけど、全く変わらぬトーンでそういわれ、頬を膨らませる



「もう、えいちゃんの意地悪」

年上の幼なじみをしたから睨み、べ、と舌を出す


「いいから早く起きろ、おばさん待ってる」

「はぁい」

返事と同時に扉が閉まる


隣の隣に住んでたえいちゃんは、今は大学生

一人暮らししてて、時々帰ってくる