視界の真ん中で首をかしげる郁さん

 
「いやぁさ、この状況は……」

歯切れ悪く言い、振り返った


「そんなんじゃねえって!」

「鍵閉めて?押し倒して?」

「あぁもうっ…早く帰れ、さようならっ!」


慌てた伊織くんが郁さんの背中を押す

苦笑いする郁さんは、私に手を振って追い出されていった


ベッドの上で座り込み、その姿を見送る


「はぁ…」

「伊織くん、楽しそう」


笑みを漏らすと伊織くんが嫌そうな顔をして振り返った


「まさか、面倒くさいですよ」

「ふふ…
そういえば気になっていたんだけど」

壁を指さす