「もう少し……………」

そう囁かれたすぐ後、扉をたたく慌ただしい音がした


「へぁ……ん…ふぅっ…」

「チッ…」

それなのに、泊まらない伊織くん

だけど、やめざるをえないくらいうるさい音に唇を離された


「はぁっ…」

「……ごめん先輩、可愛すぎて止まらなかった…」

眉を下げて頬に触れてくる伊織くんに小さく首を横に振る


その反応に口の端を引き上げた伊織くんが私に布団を掛け、鍵を開けた


「あれ?実乃梨ちゃんは」

「うるさい、なに」

布団のせいで遮断されたくぐもった声が聞こえる