棗くんからは逃げられない

「やった!やったよ琴羽!」

「わ、分かったから下ろしなさいっ…!みんな見てるからっ!」

顔を真っ赤にして怒る琴羽を無視して更に抱きしめている


怒る…?ううん、照れてる


「せーんぱい」

二人を呆然と眺める私の体が誰かに引き寄せられた


「わひゃっ…」

「お疲れ様です」


首を上に向けると

「なつめくんっ、お疲れ様」


「っ……」

「どうしました?」


笑みがこぼれ、言葉を返すと棗くんが離れた