棗くんからは逃げられない

「見ないで、ください」

その顔を押し返す


「実乃梨先輩、顔あげてください」

「っ………」

ぷい
と顔をそらして反抗


「せーんぱい」

「………」


「実乃梨」

「っ!!」


やってしまった

棗くんの勝ち誇ったような笑顔を見てそう思う


誰だって、突然呼び捨てされるなんて考えてないし…


誰かに言い訳しながら頭をぐるぐると巡らせる