棗くんからは逃げられない


────「顔、みたい」


っ…、!


「だめっ…」

「見たい」

私の抱きしめる手を緩めた棗くんに慌てて背中に腕を回す


離れないようにギュッとくっつき、目を瞑る


「っ……ねぇ、それ計算ですか?」

「っ…?」

思わず手を緩めてしまった


そのすきに脇に手が入ってきて体が離される



「顔真っ赤ですね」

「ぅ……見ないで…ください…」

「嫌です見ます」


意地悪く笑って

即答で有無を言わせぬ口調