───…私は、唯織のことが好き。
認めてしまうのが怖くて、幼馴染みのままでいたくて。
この気持ちに気付かないふりをしていた。
だけど、唯織に彼女ができた今。
悲しくて、苦しくて。
胸が張り裂けそうに痛い。
これから先、唯織の隣に並ぶには『彼女』になるしかない。
幼馴染みのままじゃダメだ。
ゴクリ、と唾を呑む。
「ありがとう、ねーちゃん。私、唯織のことが好き。唯織の隣にずっといたい」
力を込めて言うと、親友の、優しげな声が耳に届く。
『がんばれ、翼羽。私はいつでもあんたの味方だから』
……ありがとう、ねーちゃん。
拳を握りしめる。
好きだと自覚したのなら、やることが分かったのなら、あとは行動するだけ。
しんしんと雪が降り積もるなか、私は固く決意した。



