確かに高校生って、そんなものかもしれない。


現に私の周りの友達に、コクられたから付き合った、っていう人もたくさんいる。


付き合ってみてから、二人の時間を過ごすうちに好きになることだってあると思う。



……だけど。



胸がチクチクと痛んで苦しい。



「どうして……?好きじゃないなら、東雲さんを傷つけるだけだよ」



私の口から出た言葉に、唯織が今度は少し怒ったような表情を見せた。



「どうしてお前にそんなこと言われなきゃいけないわけ?俺が誰と付き合おうが、俺の勝手じゃん」



正論に、言い返す言葉もなくうつむく。



「最初は俺だって断ったよ。でも、お試しでもいいからって言って、すげえ悲しそうな顔するから、断りづらかったんだよ」


「……それでいいの?好きじゃないのに?」


「もともと嫌いじゃないから、これからどうなるかなんて分かんないじゃん」



キリッと頰を引き締めた唯織は、追い討ちをかけるように告げた。



「だから、これからは一緒に帰れない」



その言葉は、私を絶望のどん底に突き落とした。


ガラガラと何かが音を立てて崩れ落ちていく。



今までずっと一緒に帰っていたのに、こんなにも突然に終わりなの?



一緒に帰れないということはすなわち、唯織が私よりも東雲さんを、彼女を選んだということだ。



ぎゅ、と唇を噛み締める。