【短】キミと初恋。~幼馴染みのままじゃイヤ~


図書室を飛び出していく彼の背中を見つめる。


彼の姿が見えなくなった途端に、我慢していた涙がポロポロとこぼれ落ちた。


「……っ、う」


顔を手で覆い、感情に身を任せてただただ泣き続ける。


「……私、ホントいい女だなぁ……っ。何やってんだろ……」


自嘲気味に笑い口角をあげるも、涙は容赦なく溢れてくる。


「好きだったのに……ホントバカだ……」


大好きな彼に、ずっと笑っていて欲しい。


それがたとえ、私の隣じゃなくても。



───幸せになってね。



静寂に包まれながら、私の初恋は静かに終わりを迎えたのだった。