【短】キミと初恋。~幼馴染みのままじゃイヤ~



「そうと決まれば材料買いに行くよ!」と意気込んだねーちゃんに連れてこられたのは、大きなショッピングモール。



「3日前だからなくなっちゃってるかも……」



不安そうな顔でせかせかと歩くねーちゃんに遅れないよう早足で歩く。



「なくなるとかあるの…?」



問いかける私に、ねーちゃんは呆れた顔で言葉を返す。



「あんたはバレンタインに本命渡したことないから分かんないかもしれないけどね、バレンタインは女同士の戦争みたいなものなのよ」



あまりに深刻そうに言うので、こちらまで不安になってくる。


どうかまだ残ってますように、と願いながらバレンタインコーナーに飛び込んだ。



「まだあった……」



ほっとしたように息をつくねーちゃん。


私よりもねーちゃんに任せたほうが良いと判断し、一歩後ろに下がってねーちゃんの背中を見ていた。