何ページかめくったあと、1つのページに目が留まった。 「ガトーショコラ……」 【作り方】の欄を確認する私に、「ガトーショコラなら私作ったことあるよ」とねーちゃんが声をかけた。 「ほんと!?」 「うん。比較的簡単だし、王道だし。本命にはぴったりだと思うよ。一緒に作ろっか?」 腰に手を当てるねーちゃんにガバッと頭を下げる。 「お願いします、ねーちゃん先生……!!」 ねーちゃんはふふん、と笑ってから私を見て頷いてくれた。