恥ずかしそうにしながらも、ねーちゃんはスマホを差し出してきた。
画面には、いつもよりもずっとオシャレな格好のねーちゃんと、茶髪の男子がうつっていた。
肩がくっつく距離で頭を寄せ、幸せそうな笑顔を浮かべている。
…それにしても。
「すごくかっこいい…!」
声に出さずにはいられなかった。
ねーちゃんの横で笑っているのは、明るくて長めの茶髪に、ピアスをいくつもつけている男子。
加えて顔がとても整っているので、【恋愛経験豊富】という言葉がパッと頭に浮かんだ。
唯織とはまた違う感じのイケメンだ。
私の呟きに、ねーちゃんは少し誇らしげに頬を緩める。
「でしょう?……って、もういいでしょ。お菓子選びに戻りなさいよ」
急なねーちゃんの照れ隠しに、写真を見せてくれただけでもありがたいと思いながら「はいはい」と返事をして本に視線を戻した。
「どうしようかな……」
片肘をテーブルについたまま、もう片方の手でページをめくる。



