「……はぁ」


東雲さんたちの声が遠くなったのを確認してから、小さく息をつく。


こんな状態で自分の気持ちを伝えることが出来るのだろうか。


唯織は、告白されたから付き合ったと言った。


好きなわけではない、と。


……けど、一緒にいるうちに好きになっていたとしたら?


東雲さんに優しく笑うのも話すのも、好きになったからなのではないか。


ぐるぐると渦巻きだす不安を打ち消すために、頭を振る。



───たとえダメだったとしても。



気持ちを伝えなかったら一生後悔するだろう。


これは、他の誰でもなく、私が頑張らなくちゃいけないから。



私は1度深呼吸をし、学校へ向かった。