「お兄ちゃん!朝だよ~。」

 朝か

「優愛。今何時?」

「今は~

「蒼っ早く起きなさい!もう7時半よ!」

 まずい。

 入学して早々遅刻してしまう。

 それにしても今日はよく晴れている。

 雲ひとつない青空だ。

「優愛!先出て!」

 優愛まで遅刻したらもっとまずい。

「分かった!遅れないでね。」

「大丈夫。遅れないよ。」

 パンを口に詰め込んで家を出た。

「あっ美慰斗。」

 美慰斗は今家を出たところらしい。

「おー。蒼は寝坊か?」

 また・・・

「平気だ。 美慰斗はいいのか? 優愛はもう行ったよ。」

「はぁ?! 何だよそれ。先に言えよ。」

 美慰斗は優愛のもとへ走って行った。






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 全速力で走ってきたおかげで遅刻せずに済んだ。

「あれ~?蒼くん入学早々ぎりぎり?」

「そうだよ。白雪。」

 白雪 花

 白雪は小学生のころから同じクラスでよく幸介達と一緒に遊んでいた。

 名前の通り白雪姫のような容姿をしている。

「蒼。ぎりぎりじゃないか。」

「幸介。」

「十六夜といちゃついてたのか?」

 幸介まで・・・

 美慰斗みたいにニヤニヤして・・・

「十六夜とはそんなんじゃないよ。」

「そうか?知ってるか?十六夜が美人だって学年の皆が騒いでるんだよ。早くしないと取られちゃうぞ~。」

「だからそんなんじゃないって。」

 幸介と話していたら白雪がこちらを向いた。

「白雪も小学生のころから可愛いよな。蒼はいいよな。近くにふたりもいるんだから。」

 本っ当に幸介は・・・

「蒼くん。何の話してるの~?」

 白雪が入ってきた。


 その時


「白雪ってウザいよねぇ~。ぶりっこじゃん。」

「それなwちょっと可愛いからって調子のりすぎw」

「でもさ、蒼くんと幸介に気に入られても、蒼くんたちめっちゃカッコいいからつりあわなくね?」

「何それwめっちゃウケるw」

 それを聞いた白雪は少しうつむいた。

 すると幸介が

「白雪気にすることない。あいつら声でかすぎ。」

「白雪がかわいいから嫉妬してるんじゃない?」

「~っ///」

 白雪の顔が赤くなった。

「蒼。そんなこと軽く言うんじゃねぇよ(笑)」

「何を?」

「無自覚かよ(笑)まぁそういうところがモテちゃうんだよな~」