あの日、僕は海へ遊びに行っていた。
 
 あの時ぼくは小学6年生だった。

「優愛!はやく!こっち来て!」

「お兄ちゃん待ってよ~」

「うわぁっ!」

「どうしたの?優愛」

「えへへ。ころんじゃった!」

「優愛!蒼!あんまり遠くへ行かないでね!」

「「わかった!」」

「お兄ちゃん。見て。あそこにきれいなお花があるよ!」

「よし。僕が取ってあげる。」

(でも、結構危ない所にあるなぁ。)

 僕は崖の上から手を伸ばし、少し下にあった花を掴んだ。

「お兄ちゃん!危ないっっっ!」

 僕の体が宙に浮かんだ。

 頭が真っ白になって何も聞こえなくなった。

 下を見ると海にいる人が皆僕を見ていた。