拝啓あの日の君と僕へ
君たちが忘れてしまったであろうあの日の思い出をこの手紙に書こう。
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僕の暗い部屋にカーテンの隙間から太陽の光が差す。
予定していた時間よりも早く起きてしまった。
「まあ、いいか。 少し時間に余裕を持っていたほうがいいし。」
今日は僕が通う高校の入学式だ。
僕は今日をずっと楽しみにしていた。
この高校に通うために、あの人に会うためにたくさん努力した。
髪を整え、真新しい制服を着てネクタイを締めた。
「お兄ちゃんカッコいい~!」
「優愛もその制服似合ってるよ。」
僕の妹の優愛は今年中学校に入学する。
優愛の学校の制服は紺色のスカートにセーラー服だ。
赤いリボンがかわいい。
「優愛、蒼、早くご飯食べちゃいなさい。遅刻するわよ。」
「「はーい」」
ご飯を食べ終わらせ、優愛と一緒に家を出た。
「お兄ちゃん」
「何」
「お兄ちゃんは何であの高校に入ったの?」
「それは・・・」
「いい高校に入りたかったから。
それとどうしても会いたかった人がいるから。」
「会いたかった人って誰?」
「わからない。でもあの高校に通ってることは分かる。」
僕は優愛に何を話しているのだろう。
分かるはずもないのに。
「優愛。着いたよ。いってらっしゃい。」
「お兄ちゃんも頑張って!」
優愛は僕に手を振って友達のところへ走って行った。